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ヒント, アドバイス
アスリートが影響を与える購買、3つのメカニズム
投稿者: Facebook Japan
Tokyo, Japan
世界中のアスリートが一堂に会し、その実力を競う夏のスポーツの祭典が東京で開催されます。この貴重な機会は、ブランドを、より多くの人々に届ける絶好のチャンスとなるはずです。そこで今回は、Instagram利用者とアスリートの関係性を、どのようにビジネスに活用できるのかを見ていきましょう。
前回、 前々回の記事では、Instagram上でファンはアスリートの普段の姿を求めており、アスリートはそれに応え、ファンからの応援と企業からの支援を得て競技パフォーマンスを向上させているという構図をご紹介しました。このようなInstagramの特性は、ビジネス的な機会をもたらします。Instagramでスポーツにエンゲージしている人を対象とした定量調査では、好きなアスリートに影響を受けて購買行動を起こした国内Instagram利用者が60%もいることがわかっています。では、なぜファンはアスリートに影響を受けるのでしょうか。その理由について、調査委託をしたカンター・ジャパンのメディア&デジタル部門の責任者である関井利光氏に解説をしてもらいます。
1. Instagramは発見だけでなく、購買までを促す
自分の興味関心に関わるインスピレーションを求めて訪れる場所であるInstagram。ビジュアルによってブランドや商品の魅力を視覚的に伝え、その後の検索や検討、購買などを促しています。
2.「継続的」、「普段の姿」というアスリートへのニーズが購買を後押しする
アスリートによるブランドや商品に関する投稿は、継続的に選手の普段の姿を見たいというInstagramを利用するスポーツファンのニーズ特性もあり、訴求されるブランドの想起性、意義性、差別性を高めやすくしています。ブランドのInstagramアカウントだけではなく、アスリートのアカウントからの発信もマーケティング施策の機会となります。
3. アスリートの普段の投稿になじむタイアップ
アスリートのアカウントからの発信においては、既に商品やブランドを好んで使っていることがファンに認識されているアスリートをパートナーとして選定したり、一定期間使ってもらってブランドや商品の良さを理解してもらった上で投稿してもらうことが理想的です。投稿内容も普段のアスリートの投稿になじむような表現が良いでしょう。
定性調査から得られたアスリートに影響を受けて購買した理由に関する発言を、カンターが持つMeaningfully Different Framework(MDF)というブランド・エクイティを想起性、意義性、差別性の3つの要素から説明するフレームワークに当てはめると、なぜアスリートが購買に影響しうるのかが説明できると考えています。
想起性:アスリートの日常的な投稿によって刷り込まれる
「想起性」は一般的に商品カテゴリを提示した時に消費者がまず思い浮かぶブランドになれているかを表しています。アスリートの投稿であれば、商品がさりげなく、継続的に投稿に登場することで、その商品の想起性が高まる効果があると考えられます。アスリートに影響を受けて購入した理由として以下のようなコメントがありました。
特に、Instagramの場合、アスリートの普段の姿が継続的に見られているので、継続的にブランドを露出をすることで、想起性が向上されやすいと考えられます。
意義性:アスリートを支えるブランドに好感
「意義性」は消費者がブランドに対して、どれくらい好意を持っているか、または、どれくらい自身のニーズを満たしてくれていると感じているか、を表す要素となっています。アスリートの投稿で日常で気に入っているものを紹介されると、自分も使いたい、支援している企業の商品を購入してアスリートを応援したいといった、ファンとしての思いが購買を後押しします。
アスリートが気に入っているものを自分も使いたいという点では、Instagramの特性がポイントになってきます。それは、表の姿だけでは選手が何を好んでいるかは見えてこないからです。プライベートな裏の姿が見られるInstagramだからこそ、このようなパターンが生まれているといえるでしょう。
差別性:競技パフォーマンスを支える商品の機能性
「差別性」は消費者がブランドに対して、他との違いを理性的に認識しているかどうかを表しています。機能性やデザインの違い、またはカテゴリの次のニーズを作り出すような先進的な取り組みをしていると受け止められているかなどが主要因になりやすいです。アスリート投稿では、スポーツパフォーマンス向上のためにその商品を使っていることがInstagramの投稿から見受けられた時に、他のブランドと差別化されるようです。
ここでもInstagramの特性がポイントになります。プライベートの姿には、日常生活が映り込むので、アスリートの競技パフォーマンスを生活の中で支えているブランドとして自然に伝わりやすく、さまざまな商品カテゴリで差別性を高める機会があると考えられます。
アスリートに限らず、インフルエンサーを活用したマーケティングは信頼性が低く、消費者に信用してもらえないのではないかという懸念もよく聞きます。Instagramでスポーツコンテンツを楽しんでいる利用者に、どのようなタイアップ投稿が肯定的に受け入れられやすいのかを聴取しました。共通して見られたのは、「商品だけの投稿」や「アスリートの顔と商品だけ」といった宣伝色が強いものには否定的でした。一方、実際にアスリートが本当に良さを理解して使っていることがファンに伝わっていたり、日常の中で自然な形で写り込んでいたり、どのように使用しているかがわかる投稿に対しては好感が持たれていました。そのため、企業がパートナーとするアスリートを選ぶ際には、アスリート自身がブランドを好きである、使っているという点が重要になります。マーケターとしては商品への思いから、投稿内容についてあれこれ指定をしたくなりますが、アスリートの個性を尊重することがファンからの受容度につながるという点も留意しておくべきでしょう。
出典:1:カンター・ジャパン「Sports Engagement Quant Study – Screening Survey」 (Facebookの委託によるオンライン定量調査。日本在住、18〜69歳、27,629人を対象に一般人口代表構成で2018年6月に実施)。
2: カンター・ジャパン「Sports Engagement Quant Study – Main Survey」 (Facebookの委託によるオンライン定量調査。日本在住、18〜69歳のInstagram月間利用者かつInstagram上でスポーツにエンゲージしたことがある人2,000人を対象に2018年6月に実施)。
3: カンター・ジャパン「Sports Engagement Qual Study」 (Facebookの委託によるFGI定性調査。日本在住、20-34歳のInstagramでスポーツにエンゲージしたことがある人6人×2グループを対象に2018年6月に実施)。
投稿者: Facebook Japan
Tokyo, Japan