これまでの歴史を振り返ってみると、家具や家庭用品の購入はそのほとんどが実店舗を訪れたり、従来型の製品カタログやオンラインカタログを通じて行われてきました。しかしながら、モバイル機器の人気がますます高まるにつれ、消費者が家庭用品を見つけたり購入したりする方法にも変化が現れています。2016年1月から3月までの間に発生した、米国の家具および家庭用品カテゴリのオンライン販売の売上を見てみると、そのおよそ5分の1がモバイル機器によるものです。¹そしてこれは、モバイルの普及が家具および家庭用品カテゴリのブランドにもたらす好機のほんの一部に過ぎません。

家具や家庭用品を取り扱う企業をはじめとする多くの企業は、スマートフォンの普及によって、デスクトップに代わりモバイルで製品を購入する顧客が増えていることに気づいています。「数年前までは、事前のリサーチはモバイルで済ませるものの、大きな買い物については、デスクトップが使えるのを待って注文するというのが一般的なパターンでした。しかし、今では一概にそうとは言えなくなりました」と語るのは、Wayfairのダイレクトマーケティング担当副社長、Bob Sherwin氏です。

ホーム関連のブランドの中には、モバイルの使用が平均を上回る伸びを見せるものもあります。家具と家庭用品の販売で人気を集めるIkeaの顧客関係担当マネージャー、Ashley Wahl氏は最近のインタビューで、「全米では、購入のおよそ3分の1がモバイル機器によるものです。この数字は今後も引き続き上昇すると見込まれています」とコメントしています。

新製品を見つける最適な場所の1つがInstagramだということはすでによく知られています。月間のアクティブな利用者が5億人を超えるInstagramのコミュニティは、SnapchatやTwitter、Pinterestを合わせたよりも大きな規模に膨らんでいます。²そして、家具や家庭用品のカテゴリのターゲット層も、そうした高い関心を持つ人たちのコミュニティに属します。家庭用品に関心のあるInstagram利用者を平均的なInstagram利用者と比較すると、月に7日間アクティブな日数が多く、アカウントをフォローする率は140%高いことが明らかになっています。また、コンテンツの消費量は4倍、フォロワー数は平均3.5倍高くなっています。³

そのようなアクティブな利用者は絶えずInstagramの画像や動画を追って家庭用品を探し求めており、さまざまなブランドがそうした動きに注目しています。家具や家庭用品の小売店はInstagramをショールームや製品カタログの延長として活用し、自社製品に関する詳細な情報を消費者に提供しています。来週から弊社の新しいショッピング体験のテストがInstagramで開始されます。小売店側もこれに対応して、消費者が購入前にアプリから直接製品を確認し、情報を入手し、製品の購入を検討できるような投稿をシェアしています。

Home Depotや、Lowes Home Improvementのようなホームセンター業界のブランドは、カルーセル広告や動画広告を活用し、DIYプロジェクトのチュートリアルを提供して製品をアピールしています。

家庭用品のブランドは製品の利用方法を紹介するだけでなく、Instagramを販売にもつなげています。消費者への直売を専門に行うオンラインの家具販売会社、Articleは、売上アップを目的にInstagramリンク広告を利用しました。Articleは動画広告とカルーセル広告を組み合わせて、一見、夢のようでも、実は意外と達成が可能な空間に自社の家具を配置した広告を掲載して、製品のクオリティを強調しました。キャンペーン終了後、Article.comは8倍の広告費用対効果を実現。当初の目標の1.6倍増を達成しました。また、購入取引の36%がInstagram由来のものであることも明らかになっています。「顧客が購入に至るプロセスは時として複雑ですが、Instagramのカスタマージャーニーへの貢献度にはいつも驚かされるばかりです」と語るのは、Articleのマーケティング担当ディレクター、Duncan Blair氏です。

Instagramは、家庭用品の消費者の中にアクティブな利用者が多いことから、主要ターゲット層にリーチするのに最適な方法と言えるでしょう。画像や動画を重視したコンテンツでインスピレーションを与えるにせよ、潜在顧客に自社のブランドを見つけてもらうにせよ、店舗やオンラインで製品を販売するにせよ、Instagramなら実現が可能です。